新潟日報「甘口辛口」コラム執筆④

新潟日報「甘口辛口」にコラムを執筆させて頂きました。著作権の都合上、紙面の画像掲載が出来ない為文面を掲載致します。

 

2021年4月17日(土)掲載

「輪ができた直売所」

2020年の夏、30年お客さまに支えてもらってきた産直の店を閉じました。

わが家は代々農家で、祖父が無人販売から始めました。その後、青空産直店として、毎日新鮮な朝どり野菜、母手作りの笹団子や出来立ての豆餅、自家製の漬物などを販売してきました。

両親が畑を耕し、私は色とりどりの野菜をトラックに積んで運び、店で売る係でした。病院の近くでやっていたので、患者さんやその家族らがたくさん来てくれ、あっという間に売り切れるほど人気がありました。

野菜を前に今晩のメニューや料理の作り方を、お客さん同士で楽しそうに話し合い、いつしか友達の輪ができる直売所でした。

次第にお客さんの家族構成や好みまでわかるようになりました。

お客さんがまたお客さんを呼び、どんどんその輪が広がりました。

お客さんとの会話の中で、私も活力をもらいました。

新型コロナウイルス禍の中、こういう人とのつながりが持てなくなったことに寂しさを感じています。